■報酬について
(1)永住者・定住者申請-------------------150,000円 
(2)家族最初の1名------------------------50,000円
(3)家族2名以降1人当たり------------------10,000円

永住権の要件について
 「永住者」の在留資格へ変更するための要件は、@素行が善良であること、A独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、B日本国の利益に適合すること、です(入管法22条2項)。ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子(普通養子を含む)は、@とAの要件は不要となります。また、難民の認定を受けている場合には、Aの要件は不要となります。
 なお、「留学」、「就学」、「研修」又は技能実習を目的とする「特定活動」の在留資格をもって在留する外国人は、「永住者」の在留資格へ変更することはできません。

◆素行が善良であること
次のいずれにも該当しない者であることが必要とされています。
(1)日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがある者
 ただし、下記の場合には、該当しないものとし扱われます。
 ・懲役又は禁錮については、その執行を終わり若しくはその執行の免除を得た日から10年を経過し、又は、刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過したとき
 ・罰金については、その執行を終わり又はその執行の免除を得た日から5年を経過し、又は刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過したとき
 前科の照会は、日本人の場合には本籍地の市区町村に対して行いますが、外国人の場合には検察庁に対して行うこととなっています。市区町村の前科の管理の目的は、営業許可の欠格事由に該当するか等の身分証明事務及び選挙人名簿事務に資するためなので、道路交通法違反及び自動車の保管場所の確保等に関する法律違反の罰金刑の前科は対象外となっています。これに対して、検察庁の前科管理の目的は、検察事務及び裁判事務の適正な運営に資する点にありますから、道路交通法違反による罰金刑を含むすべての有罪確定裁判が対象となっています。
 この点、審査要領によれば、「永住者」以外への在留資格変更の場合には、道路交通法違反又は過失により罰金に処せられた者は該当しないと明記されていますが、「永住者」についてはそのように明記されていない以上は該当すると解するべきです。なお、行政庁が検察庁に対して、道路交通法違反の罰金の前科の照会をするためにはその旨明記する必要がありますが、その場合でも、裁判が確定した年の1月1日から起算して5年を経過した前科については、調査も回答も行わないという取扱いがなされているようです。
(2)少年法による保護処分が継続中の者
(3)日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある者
 前科以外で違法行為等が判明した場合には、考慮されることになります。
◆独立の生計に営むに足りる資産又は技能を有すること
 日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれる必要があります。この独立生計維持能力は、必ずしも申請人自身に完備している必要はなく、その者が配偶者等とともに構成する世帯単位で見た場合に安定した生活を今後とも続けることができる場合であれば足ります。
 この点、年間の総所得が記載された納税証明書の直近3年分の提出が求められますので、直近3年間について独立生計維持要件が審査されると解するべきです。

◆永住が日本国の利益に適合すること
次のいずれにも該当している者であることが必要とされています。
(1)引き続き10年以上日本に在留していること
 10年以上の在留期間のうち就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上本邦に在留していることが必要です。なお、9年6カ月の時点で、申請は受理されます。この要件については例外がありますが、後述します。
(2)罰金刑又は懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること
 日本人・永住者の配偶者又は子のように素行善良要件が問題とならない者でも、結局、国益適合要件として前科が問題となります。なお、納税義務の履行の有無は納税証明書で確認しますが、日本人・永住者の配偶者又は子の場合には直近1年分を提出すれば足りますが、それ以外の場合には直近3年分の提出が必要となります。
(3)現に有している在留資格の期間が最長であること
(4)公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
◆在留期間の要件について@
 「永住者」の在留資格が付与されるのは、当該外国人の在留の態様、家族・親族状況等から見て、当該外国人と日本社会との有機的関連が相当強くなったと考えられ、日本社会の構成員と評価し得るからです。したがって、原則として、引き続き10年以上日本に在留している必要がありますが、下記のように例外があります。
 なお、再入国許可を受けずに出国した場合には、「引き続き」在留しているものと扱われなくなりますので注意が必要です。
(1)日本人又は「永住者」の配偶者については、実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していれば足りる。
(2)日本人又は永住者の実子及び特別養子については、引き続き1年以上本邦に在留していれば足りる。
(3)難民認定を受けている者は、引き続き5年以上日本に在留していれば足りる。
(4)「定住者」の在留資格を有する者は、「定住者」の在留資格を付与された後、引き続き5年以上日本に在留していれば足りる。
(5)外交、社会、経済、文化等の分野における我が国への貢献があると認められる者は、引き続き5年以上日本に在留していれば足りる。
(6)高度人材外国人は、高度人材外国人として引き続き5年以上日本に在留していれば足りる。
(7)「永住者」の在留資格をもって在留する者又は特別永住者の子として本邦で出生した者、及び、日本国籍を離脱した者は、在留資格の取得により永住許可を受けることができる。
◆在留期間の要件についてA
 国益適合要件は、当該外国人の在留状況、家族状況、日本国への貢献度等を総合的に勘案して決定されるので、上記在留期間以上の在留歴に該当するからといって必ず「永住者」への在留資格変更が許可されるわけではありません。逆に、上記在留期間に満たない場合でも、諸般の事情を総合的に勘案して、下記のような場合には、国益適合要件を充足すると判断される場合があります。
(1)本邦で出生した者又は親に同伴して入国した者で、義務教育の大半を我が国の学校教育法に基づく教育機関で修了している者。
(2)「特別永住者」又は「永住者」の在留資格をもって在留していた者で、海外留学や病気等やむをえない理由により再入国の許可の有効期間経過後に上陸を認められ、かつ、法定の在留資格のいずれかをもって在留している者。
(3)就労資格又は居住資格で在留中の者で、出国中に病気等やむをえない理由により再入国許可経過後に上陸を認められ、かつ、出国前と同一の在留資格で在留する者。
(4)配偶者又は親が永住許可相当と判断される場合の配偶者又は同一世帯に所属する子
 ある外国人が永住許可の要件を満たしていれば、その配偶者又は同一世帯に所属する子は、居住年数の要件を充足していなくても、永住が許可され得ます。

永住権の審査と必要書類
 永住許可に係る法務大臣の権限は、地方入国管理局長に委任できることとされておらず、永住許可申請案件については、全て法務省進達を要するものとされています。進達に際しては、一括して進達するもの(一括進達案件)と個別に進達するもの(個別進達案件)に区分されています。一括進達案件の場合には、申請番号のみが記載された一覧表を作成の上、複数の永住許可申請について一括で進達します。これに対して、個別進達案件については、申請書、意見書及びその他の関係書類を添えて個別に進達します
 なお、必要書類については、入国管理局のホームページに記載されているもの以外に、永住を希望する理由を記載した理由書の提出が必要となります。また、申請人の業績及び日本への貢献度を立証するために、身元保証人の身元保証書だけでなく、身元保証人等からの推薦状が追加書類として要求される場合があります。

■「定住者」について
 法務大臣が個々の外国人について特別な理由を考慮して一定の期間を指定して居住を認める者としての活動が該当します。すなわち、法別表第2の永住者、及び、日本人又は永住者の配偶者の在留資格のいずれにも該当しないけれども、人道上の理由その他の特別の事情を考慮して与えられる就労制限のない在留資格です。
 上陸許可(上陸特別許可を除く)及び在留資格認定証明書の交付に際し、「定住者」の在留資格を決定できるのは、法務大臣があらかじめ告示をもって定める活動(告示定住)に限られます(法7条1項2号)。告示外定住の場合には、他の在留資格からの変更により「定住者」の在留資格を得ることになります。

◆告示定住
1.タイ国内のミャンマー難民(告示1号)
2.日系2世・3世(告示3・4号)
3.「定住者」等の配偶者(告示5号)
4.日本人・「永住者」・「特別永住者」・「定住者」の未成年かつ未婚の実子(告示6号イ・ロ・ハ)
5.日本人・「永住者」・「特別永住者」・「定住者」の配偶者が「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格を有している場合で、その配偶者の未成年かつ未婚の実子(告示6号ニ)
 告示6号の場合は、実子が入国後成人に達し又は婚姻した場合や就労することとなった場合でも、「定住者」の在留期間更新が認められます。
6.日本人・「永住者」・「特別永住者」・「定住者」の扶養を受けて生活する6歳未満の養子(告示7号)
 入国後6歳以上に達した場合であっても、「定住者」の在留期間更新が認められます。
7.中国残留邦人関係(告示8号)
◆告示外定住
1.法務大臣により条約難民として認定された者
2.日本人・「永住者」・「特別永住者」の配偶者で離婚また死別した者
 下記の要件を具備する必要があります。
(1)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
(2)日本人・「永住者」・「特別永住者」との間に出生した子を日本国内において養育している等在留を認めるべき特別の事情を有していること
 実務上、子がいない場合でも、実体のある婚姻期間が3年以上継続していた事実があり、かつ、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有する場合には、離婚の理由等諸般の事情を考慮して、「在留を認めるべき特別の事情」を有しているとして「定住」の在留資格変更が許可されることが多いです。なお、子がいる場合には、婚姻期間が3年以上継続している必要はありません。
3.日本人の実子を扶養する外国人親
 日本人の実子を扶養する外国人は、日本人と結婚していなくても、下記の要件を具備すれば、「定住者」への在留資格変更が許可されます。
(1)日本人の実子の親権者であること
 「日本人の実子」とは、嫡出・非嫡出を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有している者をいいます。実子は日本国籍を有している必要はありませんが、日本人の父から認知されている必要があります。
(2)現に相当期間当該実子を監護していること
(3)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
 ただし、審査要領によれば、上記(1)と(2)の要件が具備されていることが確認できれば、「定住者」(1年)への在留資格変更を許可しても差し支えないとされています。また、地裁も、(1)〜(3)の要件の直接該当しない場合でも、これらの要件と同視するべき事情がある場合には、「定住者」への在留資格変更を不許可とすることは違法としています。

 上記のほか、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。


==========================
アイゼン行政書士事務所
〒810-0073
福岡福岡市中央区舞鶴3-1-22萬翠ビル4階
TEL092-707-3890 FAX050-3730-9501
MAIL:kimura@fukuoka-hakata.com
代表者 行政書士 木村 秀作